INTERVIEW
絵を描き始めた経緯
幼少期から絵画教室に通っており、その後、美術高校、美術大学へ進学しました。
それから文章の仕事に興味を持ち、出版の仕事を経験しましたが、2019年頃からまた本格的に創作活動を開始しました。
なぜ、絵を描いていますか?
創作を通して自身の中の無意識の部分を浮き彫りにし、個人的な哲学を固めようとしています。
また、自身から湧き上がったものを絵という形で切り売りして生きていくという、単純で自然な営みを目指しています。
制作において大事にしていることは?
生々しさと神秘性を両立するために、正確な肉体描写と無機物的な要素の両方を人物に入れ込んでいます。
現在のスタイルはどうやってできましたか?
もともと日本画を描いていたので、輪郭線を用いた平面的かつ立体感のある描写はそこで勉強しました。
そこに漫画的な記号化された要素が組み合わさり現在のスタイルになっているのかなと思います。
作風については、絵画作品よりも映画や音楽、文学作品からの影響が大きいと思います。
映画だと『リリイ・シュシュのすべて/岩井俊二』、音楽だと『People In The Box』、小説だと『薬指の標本/小川洋子』など、神聖だけどどこか危うい雰囲気を纏う作品に惹かれる傾向が昔からあり、その質感を出せているかどうかが自分の創作のひとつの指針になっています。
DiGAROの企画を聞いたときの印象は?
いち絵描きとして「絵を見る」「絵を買う」という行為がさらに一般的な楽しみになってほしいと思っているので、
こういった場所を作り間口を広げてくださる方がいることをとても嬉しく思いました。
今後の展望
個人的な展望としては、ひとつの物語のように連作物を描くなど、自分の中での聖典を作るような感覚で創作をし、思想をより明らかなものにしていきたいです。
また、これまで人物の描写に固執してきたので、これからは背景や装飾などにも時間をかけ、世界観の強度を高めていきたいと思っています。
お仕事としては、文学作品の装画などをはじめ、誰かの作品の魅力をさらに高められるような役割を担えたら嬉しいです。
長期的には、作家として代わりの利かない人間になれるよう努力していこうと思っています。
作品一覧
DiGAROではデジタル原画や直筆サイン入りプリント作品をご購入いただけます。